2013/10/22

CSRを促進する社会の仕組み(1)

ネット上をうろうろしていたところ、興味深い記事がありました。

「ブラインド」で死亡事故 安全対策提言へ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131022/t10015466781000.html

この記事で示されている東京都のイニシアチブは、CSRを促進する社会の基本的なモデルといえるのではないかと思います。記事を読む限り、今回の対応の以下の点に着目することが非常に重要ではないかと思います。

社会としてCSRを促進する
仕組みを作る

メーカーや消費者団体などが意見を交わしている点
企業側が一方的な考えを述べるのでもなく、消費者側が一方的に企業を非難するのでもない、企業とステークホルダーが対話の場を設け、何が問題でどのような対策をとれるのか協議を行っている点が非常に重要だと思います。


医師や警察と連携して情報を共有する仕組みを作ろうとしている点
企業だけがCSRに取り組むのではその成果に限界があり、様々なステークホルダーや関係者が協働していく必要があります。今回のケースで医師や警察と情報共有を行っていくことは、現状の客観的で正確な把握や、より効果的な解決策の構築につながると思います。


全国統一の基準づくりも含めて検討している点
以前租税回避を巡る議論について書いた記事で述べたとおり、Level playing field(=公平な競争条件)の構築がCSRを促進する上で非常に重要になります。全国統一の基準作りを含めて検討しているとういことは、全国のメーカーがその基準に準拠したものづくりをするようにするということであり、正にLevel playing field構築を目指していることに他なりません。その後は輸入製品に対する規制なども検討されていくことになるのではないかと思います。


この3点をそれぞれ一般化すれば、ステークホルダーとの対話の場の設定関係プレイヤーを巻き込んだ社会全体での取り組みLevel playing fieldの構築の3点だと言えます。この3点が積極的に実行されるような仕組みづくりが、CSRを促進する社会を作っていく上で不可欠ではないかと考える次第です。

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